切ってなんぼの整形外科医。薬使ってなんぼのペインクリニック。

今年の夏は暑かった!と思っていたらあっというまに12月ですね。
さてしばらく見ていなかったクライエントさんに「調子はどうですか?」とのメールを送ったところ、週1で「ペインクリニック」というところへ通っているということでした。
「ペイン」いわゆる「痛み専門のクリニック」ということですね。

そのペインクリニックとはなんぞや?

あるサイトから引用しました。
もともと痛みは、身体に生じた異常事態を知らせる警告反応として大切な役割を持っています。
ごもっとも。たしかにそうです。
実際、病院を受診する一番の理由は「痛み」です。ところで、多くの痛みは原因となる病態の改善とともに軽減消失します(主に急性痛として分類されます)。
だいたい身体に痛みを感じたらとりあえず病院で診察ですね。私は行きませんが・・・
しかし、警告の役割を終えた痛みがいろいろな理由で長く存在すると、より強い痛みや新しい種類の痛みが加わり、病気の部位の器質的異常や機能低下だけの問題だけでなく身体的・精神的・社会的要因が複雑に関与し始め、私たちの生活の質(Quality of lifeQOL)を低下させることになります。これが慢性痛と言われる状態です
たしかに痛みが続く生活なんて嫌ですね。精神的にも参ります。
ところでこの
「痛みがいろいろな理由で長く存在する」
とありますが、その「いろいろな理由」とは一体なんなんでしょう?
このような状態に陥った時はもちろんのこと、陥りそうな時には、身体的・精神的苦痛を適切に和らげ消失させることが重要になります。
確かにそうですね。早めの対応が必要です。
また、がんを患うと急性痛のみならず慢性痛が複雑に入り組んで治療に難渋することとなり、患者さんにとって痛み治療はやはり重要な求めとなります。
がんの痛みの理由は専門外なのであまりよく分かりませんが、腰の痛みの原因とその対策法は結構知っているつもりです。
その原因は姿勢だったり、骨盤の傾きだったり、動き方の問題だったり、股関節や胸椎の問題だったりです。そしてどれが腰痛の原因かは一人一人観ればだいたい分かるので、その原因を解決すれば痛みは直ぐに改善するのです。
そして
ペインクリニックでは、症状や身体所見から多角的に痛みの原因を診断し、
ちゃんと痛みの原因の診断をしているそうですね。痛みの原因が分かれがあとは原因を解決するだけです。
しかし
薬物療法だけでなく神経ブロックを始めとする各種の治療法を駆使して痛みを軽減・消失させQOLを向上させます。
あれっ?ちょっと待ってください?
その
「いろいろな痛みの原因」
を診断したにも関わらず痛みの軽減・消失方法は
「薬物療法と神経ブロックを始めとする方法」がメインの治療法ですか?

痛みとは脳で感じて「痛い」と判断する感覚です。

腰の痛みの原因がなんであれその感覚を鈍くする、或いは遮断すれば痛みは感じなくなるのです。
これは
「いちいちこんなに沢山の患者さん一人一人の腰痛の原因を探して、それぞれに対応していたら面倒だし時間がかかるから、薬か麻酔でとかで一気に痛みを感じさせなくすれば万事解決だよね」
といっているようなものです。

痛みは火災報知器のサイレン

鎮痛剤やブロック注射などはあたかも台所で鳴っている火災報知器がうるさい!といって耳栓をして知らんぷりをするか、火災報知器にカバーをかけて煙がかからないようにしてサイレンを止めるようなことです。
火災報知器のサイレンは聞こえなくなりますが、火はまだ燃えたままですね。その火をそのままにしていたらしまいには火事になり家は燃えてしまいます。
長い時間かけて燃えてしまった家は整形外科医という業者さんに外科手術という方法で綺麗にされ補修されるのです。それも一回や二回では済まないでしょう。
じっとしている時に痛みが出る場合は炎症が原因です。炎症が収まり病態が改善すれば痛みは無くなります。しかし、ある一定の動きをすると痛み感じる場合があります。
これは「動き」に問題があるのです。
勿論スキーをしていて骨折していたらじっとしいようが痛みはでます。
しかし、動きで痛みが出るほとんどの場合は痛みが出ている所以外の筋肉や関節がしっかりと動いていないために、痛みが出ているところ負担がかかっているために痛みがでているのです。

痛みは見えない。感じる。

腰の慢性痛として変形性腰椎症、脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニアなどがあげられていますが、これはレントゲンやMRIで診断が下されます。しかし痛みは感覚であり目でみることはできません。実際にレントゲンやMRIで発見される腰椎と痛みの関連性は無いことも科学的な調査で証明されています。それにも関わらず痛みの原因は変形性腰椎症、脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニアだからと決めつけているのです。
整形外科では痛みを改善するには効くかどうか分からないが、取り敢えず手術しか他に方法が無いと言います。手術をしたにもかかわらず痛みが残る場合は慢性痛と決めつけて薬で痛みを隠すだけのことを痛みの治療といっているのです。
その昔、私の力及ばず脊柱間狭窄症の2度目の手術をさせてしまったクライエントの1人にこう言われました。

医者は出来るだけ薬で痛みを和らげながら過ごすよう勧めますが手術以外に解決手段はありません。狭窄した箇所は手技施術では解決しません。 筋力の維持をしながら手術を避けて過ごすことは私も含めて誰でも挑戦したい事ですが、貴方達の役目は術前と術後に患者と接しながら高齢者アスリートの生活復帰だと思います。

狭窄した箇所は手技では解決しないのも分かっています。でも全ての人がそう簡単に手術を受けられるわけでもありません。
けれどその狭窄した箇所が痛みの根源でなかったらどうでしょう?
その可能性は先程言ったように科学的な研究で証明されています。その手術以外の解決方法がある可能性もあるのです。その挑戦があるからこそこの仕事が面白くてたまらないのです。
もしその方法を見つけたとしたら必ず整形外科学会やペインクリニック学会が潰しにかかることは確かでしょう。